在宅透析
在宅血液透析の紹介
在宅血液透析は、医療施設の指導・管理のもとに、血液透析を家庭で行う治療です。 患者さんと介助者(主に家族)が協力し合い、透析の知識と技術を習得して、自分の生活に合わせて透析を行うことができます。 準備・自己穿刺・透析中の管理・後片付け・物品の管理など、全て患者さんと介助者によって実施する透析です。そのため、希望した方全員ができる治療ではなく、ある一定の条件があります。 2014年末で国内では523人、北海道内では10人の方が行っています。
在宅血液透析の条件
- ・透析時間を延ばしたいまたは透析日を増やしたいという、十分な透析を実施したいという希望がある。
- ・介助者が必ず必要である。
- ・トレーニングを介助者と共に受け、知識・技術を習得することができる。
- ・必ず月一回の外来受診を受けることができる。
- ・必要な自宅改装ができる。
- ・自己穿刺できるシャントである。
- などの条件があります。
在宅血液透析のメリット
- ・自分の生活スタイルに合わせ、自由に透析スケジュールを組むことができる。
- ・時間的制約がないため、社会復帰(就業・家事・育児・趣味)は容易である。 (透析可能な時間帯については相談)
- ・自宅で行うため、家族と団らんの機会が増える。
- ・透析回数に制限がないため、十分な透析量が確保できる。 (当院は日曜日の透析はできません)
- ・飲水、食事制限がかなり緩和できる。
- ・貧血、高血圧、血清リン値などの改善がみられ、薬の量が減る。
- ・透析不足による合併症のリスクが減り、生命予後がよい。
在宅血液透析のデメリット
- ・自己責任、自己管理を伴う治療法である。
- ・介助者やそれ以外の家族の理解と協力が必要である。
- ・介助者とともに一定期間の訓練(技術と知識の習得)が必要である。
- ・自己穿刺をしなければならない。
- ・自宅に透析装置の設置場所と医療材料の保管スペースの確保が必要である。
- ・金銭的な負担(電気料金・自宅改装・水道料金など)がある。
- ・現在、重大な事故報告はないが、自宅での事故の可能性はある。
【トレーニング風景】
透析日に介助者となるご家族も来院していただき、一緒にトレーニングを受けます。
トレーニング期間は一般的に数ヶ月〜半年間です。
写真は患者さんの許可を得て掲載しています。